展示場住宅について
置かれた家具、小物は一流品であり、広角レンズによって部屋は異常に広く見えます。
モデルルームという現実の空間を眺めている時でさえ、実はパンフレットで作られたこのイメージを見ているのです。
・・・そしてもしこの住宅を手に入れれば、パンフレットの世界がそのまま自分のものになると錯覚してしまいます。
展示場住宅が画期的だったのは、その出来上がりの状態が、家を建てる前からわかるからだという話があります。
その論に従えば、岐阜 注文住宅をデザインする建築家に頼んだり町の大工に頼んだら、どんな家になるか出来上がるまでわからないということになります。
・・・しかしこの論は基本的に誤っています。
展示場住宅が画期的だったのは、その出来上がりとは異なる状態を、あたかもその出来上がりの状態であるがごとく錯覚させる技術にたけていたということです。
そしてその技術は、現代人の写真に対する絶対的信頼を、巧妙に利用したものでした。
それゆえここでまたコピーという言葉を使うなら、展示場住宅はコロニアルのコピーでもチューダースタイルのコピーでもなく、まさしくパンフレットのコピーです。